2016年04月18日

NieRファンが待ち望んでいた夢のような一夜。

 2016年4月16日,スクウェア・エニックスは東京・EX THEATER ROPPONGIにて,今年で発売6周年を迎える「NieR」シリーズのコンサート「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ」を開催した。
 同イベントでは,世界中のゲームファンから絶賛されているシリーズの名曲の数々はもちろん,待望の新作「NieR:Automata」の新曲や実機プレイなどを披露。ヨコオタロウ氏を始めとする開発陣や,声優の門脇舞以さん,石川由依さんらによるトークショーも行われた。
 本稿ではその模様をジックリとお届けしていくので,NieRファンにはぜひとも最後まで目を通してほしい。



「NieR:Automata」公式サイト
【出演者】(※敬称略)
石川由依
岡部啓一(MONACA)
門脇舞以
齊藤陽介(SQUARE ENIX)
田浦貴久(PlatinumGames Inc.)
ヨコオタロウ ほか

歌:エミ・エヴァンス
歌:中川奈美
歌:J'Nique Nicole
ピアノ:帆足圭吾(MONACA)
ギター:後藤貴徳
ストリングス:土屋玲子カルテット

【セットリスト】
01.夏ノ雪
02.光ノ風吹ク丘
03.カイネ/救済

―Talk Live Part1―

04.イニシエノウタ/デボル
05.休息
06.愚カシイ機械

―Talk Live Part2―

07.NieR:Automata New BGM #1
08.NieR:Automata New BGM #2

―Talk Live Part3―

09.エミール/犠牲
10.魔王
11.Ashes of Dreams

―アンコール―
EN01.オバアチャン
EN02.イニシエノウタ/運命

NieR:Automata


深遠な物語と共に蘇る名曲の数々

 ピアノ,ギター,ストリングス四重奏という編成で行われた今回のコンサート。幕開けとなる1曲めは,“ハジマリノウタ”としてこれ以上相応しい曲は無いであろう「夏ノ雪」。NieRという世界観そのものを音楽に乗せたような,美しくも儚い音色にウットリと聴き惚れる。演奏中はゲーム本編の映像がスクリーンに映し出されており,とても6年前の作品とは思えぬほど鮮明に,プレイしていた頃の記憶を呼び起こしてくれた。

 続いては,NieRといえばこの曲を思い浮かべる人も多いであろうフィールド曲「光ノ風吹ク丘」。ボーカルを務めるのはもちろん,本シリーズの楽曲を語るうえでは欠かせない歌姫,エミ・エヴァンスさんだ。まさしく“光ノ風”と表現するに相応しい,どこまでも透き通った歌声が会場を包み込む……。



 3曲めは,しっとりとしたピアノソロから,サビへかけて徐々に盛り上がりを見せる「カイネ/救済」。歌詞の一つ一つに想いを込め,歌い上げていくエミさんの姿が,気付かぬうちに溢れた涙で滲む。作中屈指の名曲を,こんなにも早いタイミングで披露してくれるとは,実に贅沢なコンサートである。

 コンサートパートの第一部が終わると,本イベントの司会を務めるエミール役の声優・門脇舞以さんが登場。会場へ向けて「いかがでしたか?」と尋ねると,万感の思いが込もった盛大な拍手が会場に鳴り響く。門脇さん自身も「当時の気持ちを思い返して,うるっとしてしまいました」と感慨深そうにコメントしていた。

 続いて,シリーズ全体の楽曲を担当するMONACAから,岡部啓一氏と帆足圭吾氏が登壇。NieRの試作段階でヨコオ氏から声が掛かり,本シリーズの楽曲を担当することになった岡部氏は「最初に2~3曲作り,試作品に入れ込んでは修正の繰り返しでしたね。ずっとNieRの曲を作っていたわけではありませんが,トータルで2年ほど関わっていました」と,当時を振り返る。加えて,「当初はあまり期待されていない作品だったこともあり,リラックスして自由な曲作りができた」とも語った。

 そして,NieRにおいては岡部氏の右腕とも言える存在であり,今回のコンサートにおけるライブアレンジも手掛けた帆足氏。「今までで一番の仕事」を尋ねられると,少し悩む素振りを見せたものの「魔王」を挙げた。
 当時は帆足氏から上がってきた曲に岡部氏が手を加えたり,リテイクの指示を出したりするのが基本的な流れだったが,「魔王」に関してはほとんど修正も無かったらしく,岡部氏曰く,帆足氏は「NieRに関わったことでかなり成長した」とのこと。「“明日までにこういう曲を作れ”と岡部さんに言われ,頑張って間に合わせたのにボツ,みたいなこともありました(笑)」と,帆足氏が苦い思い出を語る場面もあったが,それを岡部氏は「全然覚えてないや(笑)」と一蹴。スパルタである。



 ここで,ボーカルを務めるエミさんも登場。岡部氏は共通の知人を介して知り合ったエミさんについて「アーティスティックでオンリーワンな歌声を持つ方であるため,“ここぞ”という時にお願いしたいと思っていました。そこでちょうどNieRのお話をいただき,エミさんの歌がイメージにぴったりだと思ったので満を持してオファーしたのです」と,エミさんがNieRに関わることになった経緯を説明。

 そんなエミさんだが,自身もNieRのサウンドトラックが大のお気に入りとのこと。「NieRに参加することができて,恵まれていると思います。おかげで大きなホールで歌えましたし,温かいファンの皆様にも出会えました。NieRの曲は歌えば歌うほど愛しくなるので,ぜひ歌い続けたいです」と,作品に対する感謝の想いを語った。


トラウマメーカー・ヨコオタロウ

 再びライブパートに戻ると,神秘的な歌詞が印象的な「イニシエノウタ/デボル」を披露。優しく語りかけるようなエミさんの歌声が,会場いっぱいに広がる。その後は「休息」からの「愚カシイ機械」へと続き,エミさんのボーカルに加えて中川奈美さんが登場し,コーラスを担当した。

 そして二度めのトークパートは,最新作「NieR:Automata」のメインキャラクター・2Bを演じる声優・石川由依さんのセリフ朗読で幕を開ける。ゲーム本編の映像がスクリーンに流れ,門脇さん,石川さん,プロデューサーの齊藤陽介氏,ディレクターのヨコオタロウ氏がステージに登場。ちなみにヨコオ氏は,インタビューなどでお馴染みのエミールマスクを着用しており,視界が悪いため齊藤氏に小さな子供のように手を引かれて現れたため,その姿に会場から笑いが起こっていた。



 開発陣が勢揃いしたところで,最新作の「NieR:Automata」について。2Bを演じる石川さんは「彼女はアンドロイドの中でも冷静沈着で,感情を表に出すタイプではないです。でも,正義感やほかのキャラクターに対する愛情も確かにあって,とても人間らしい優しさを秘めた子だと思いながら演じています」とコメント。その一方で,ヨコオ氏が「いつもどおり,殴って殺して殺されたりする作品です。そこに相応しい人達を用意しようと思って,キャラクターを作りました」と通常営業でぶっちゃけ,齊藤氏から「言い方が乱暴だよ(笑)」とツッコミが入った。

NieR:Automata
2B

石川由依さん

 また,石川さんは本作に関わった感想として「皆様には最後まで,エンディングまで見てほしいという想いが強いです」とコメント。エンディングという言葉に訓練されたファン達がざわつくと,ヨコオ氏は「今回はハッピーエンドだと思って作っているんですよ」と話し,会場からはドッと笑い声が上がった。

 すでに「こちら」の速報記事でもお伝えしたとおり,ここで新たに9S(CV:花江夏樹さん)とA2(CV:諏訪彩花さん)についての発表があり,花江さんと諏訪さんからのビデオメッセージが上映された。

 なんと花江さんは小学生の頃,夢中になって「ドラッグ オン ドラグーン」(以下,DOD)をプレイしていたらしく,NieRシリーズがその続編にあたると知って喜んだとのこと。アフレコに関しては「一生ぶん,泣き叫んだんじゃないかと思うくらい,良い意味で“もう二度とやりたくないシーン”がたくさんあり,演じ甲斐がありました」とコメントし,いろいろな意味でファンの期待感を煽ってくれた。

 また,シナリオについても,終盤にかけてキャラクターに感情移入したところで“いつものエンディング”が待ち受けていることを明らかにし,会場をザワつかせる。自身もDODの“赤ちゃん”エンディングがトラウマになっているという花江さんだが,「そのエンディングに呆然としている僕を見ていた母親が,PS2のコンセントを引き抜いたんですよ」と,トラウマメーカーとして名高いヨコオ作品の罪深さを実感できるエピソードを語ってくれた。今回もそれに近い衝撃が味わえるということなので,大いに期待したいところだ。

NieR:Automata
9S

花江夏樹さん

 一方,諏訪さんは,NieRに対して「ビッグタイトル」というイメージがあり,最新作への出演が決まったと聞いた際には非常に驚いたとコメント。音声収録の休憩中に,自身を起用した理由をヨコオ氏に尋ねたところ“大人っぽい声を出せる人”を基準に選出したとの答えが返ってきたという。しかし,ヨコオ氏とはアフレコで初めて顔を合わせた諏訪さん。現場入りした際にその可愛らしいルックスから「あの声を出していたのは,本当にこの人なのか?」と驚かれたらしい。

 役柄に関しては一匹狼な雰囲気のA2を演じるにあたり,「意識してクールかつ,強さを出せるように演じました」とのこと。普段は口数が少ないものの,戦闘時には荒々しくなるタイプらしく「収録では何回“クソ!”と言ったかわかりません(笑)」と,A2というキャラクターのパーソナリティをうかがわせる裏話をしてくれた。

NieR:Automata
A2

諏訪彩花さん

 「NieR:Automata」の楽曲に関して,先行公開されている2曲について齊藤氏が「評判いいみたいですよ?」と言及すると,ヨコオ氏は「前作からゲームよりも音楽が良いよねって評価があって,岡部さんにジェラってます」と正直すぎる気持ちを暴露。
 そんな中,「出辛いわ!(笑)」と言いながら岡部氏がトークに参入し,続いて,中川さんとJ'Nique Nicoleさんも登壇。作品について,Nicoleさんは通訳を介して「私は普段,R&B,ポップス,ゴスペル,ソウルミュージックなどを歌っているのですが,ユニークでエキサイティングな経験の一部になれて嬉しいです。NieRに参加したことで,新しいフィールドに挑戦することができました。将来的にも,私の音楽の中で本作の要素を使わせていただきたいと思います」とコメント。中川さんは「NieRはゲームの世界でも唯一無二の魅力を持った,『ええっ!?』と驚かされるゲームですが,今回はさらに予想を裏切るような美しいものを作っていきたいです」とアツい意気込みを語った。

 その流れで,続いてのコンサートパートでは「NieR:Automata」からタイトル未定の新曲,2曲が披露。そのうちの1曲めは中川さんがボーカルを務める楽曲で,低音から高音のキーまでを自在にカバーする神業的な歌唱力で会場のファンを圧倒。ギターがボーカルを支えつつ,曲が進むにつれて徐々にストリングスが盛り上がっていく……スクリーンではゲーム本編のバトルシーンが流れていたが,まさしく戦闘に相応しい,戦意を高揚させてくれるような力強いイメージの楽曲だった。



 そして2曲めは,重厚感のあるピアノの旋律に乗せてNicoleさんがソウルのこもった歌声を披露。無国籍感の強いイメージがあるNieRの楽曲として考えると実に洋楽的というか,ともすれば“異端”とも思える雰囲気だが,そんなことはどうでもよくなるくらい歌詞もメロディも常識外れに美しい。「NieR:Automata」が単なる前作の後追いではなく,さらに深く記憶に焼き付くような“新しい作品”になるだろうと予感させるような曲だった。

 ……ここで一度休憩時間を挟み,門脇さんと齊藤氏によるグッズ紹介コーナーがスタート。グッズの感想や製作にあたっての裏話など,休憩時間にも関わらずサービス精神が旺盛な一幕となった。ちなみに,一部のグッズは4月22日の12:00よりスクウェア・エニックス e-STOREで通信販売される予定なので,気になるという人は忘れずにチェックすべし。


エンディングは有料ガチャ!?

 再び舞台の幕が上がると,門脇さん,齊藤氏,ヨコオ氏,岡部氏が登場。今回は特別に開発中のROMでプレイ画面を見せてくれるということで,会場から大きな歓声が上がった。



 コントローラーを握るのは,プラチナゲームズの田浦貴久氏。スクリーンには,廃工場のようなステージに佇む2Bと9Sの姿が映しだされている。グラフィックスに関してはNieR特有のシックな雰囲気を出すため,前作を徹底的に研究して光の加減や空気感を表現しているとのことで,全体に退廃的な美しさが漂っている。
 モーションは非常に滑らかで,2Bと9Sのダイナミックな戦闘シーンに会場からはたびたび拍手が上がる。アクションゲームに関して国内トップクラスの開発力を誇るプラチナゲームズが手がけていることで,アクションに不慣れな人でも簡単操作でド派手な立ち回りができる仕様になっているとのことだ。

NieR:Automata
NieR:Automata

 なお,少し前まではお供である9SのAIが優秀過ぎた(?)ために,プレイヤーよりも先に敵を殲滅してしまう,会話しなければいけないNPCまで殺しに行こうとするなど,問題行動が多かったことをヨコオ氏が暴露。これには田浦氏も苦笑い……という感じだったが,嬉しいニュースもあり,今作ではキャラクターを切り替えることで9Sを操作することもできるということが明かされた。サポートタイプらしく,特有の能力を使ったギミックも考えているとのことだ。前作ではサポートキャラであるカイネを操作したいという希望がさまざまな制約によって叶わなかったため,今作ではそれを実現したという。

 また,「プラチナゲームズには真面目な方が多いので,シナリオをめちゃくちゃにしようとすると怒られます。エンディングを有料ガチャにしようとしたら,すごく怒られました」と,あまりにも衝撃的な裏話を披露し,会場を爆笑の渦に包み込んだヨコオ氏。それを受けて齊藤氏は「こういうこと本気で言うから怖いんですよ。実際のところ有料ガチャにはなっていませんが,とんでもないエンディングにはなっています」と宣言。しかし,ヨコオ氏は「そんなことないですよ。ハッピー感のあるア●パ●マンみたいな終わり方をします」と反論。最終的に田浦氏へ意見を求めるも,「いい感じに終わった……ように見せかけるのがうまいですよね(笑)」と,なんとも不穏な結論に至っていた。

NieR:Automata
NieR:Automata

 そして,ここでNieRの6周年を記念して,4月22日~5月16日の期間中,「ニーア レプリカント」がPlayStation Nowで80%オフで配信されることが発表された。まだNieRの世界に触れたことが無いという人,新作に備えておさらいしたいという人には,このタイミングでぜひともチェックしてほしい。

 トークコーナーが終わると,いよいよ最後のライブパートへ。その1曲めは,ストリングスのみをバックに中川さんが歌う「エミール/犠牲」。スクリーンに流れるゲーム本編の映像も相まって思わず目頭が熱くなり,続いて披露された「魔王」で涙腺は完全に決壊。ゲームをやり込んだファンであれば,どちらも心穏やかには聴いていられない,ひたすら美しくて悲しい曲だ。

 ラストナンバーは,エミさんが歌う「Ashes of Dreams」。まさしく作品を象徴する曲であり,歌声に合わせてスクリーンに歌詞がゆっくりと流れていく演出がまたニクい。物語の始まりから終わりまでが,走馬灯のように脳裏を駆け巡る。心打たれたイベントの数々が,つい昨日のことのように思い出される……。

 これでプログラム上は楽曲が出尽くしたが,会場が暗転してもなお鳴り止まぬ拍手に応え,岡部さんが登場。「あらためていろいろな人の力で,NieRは支えられているのだと実感しました」と,NieRに関わるすべてのスタッフやファンへ感謝の気持ちを伝えた。アンコールに応え,エミさんと中川さんが「オバアチャン」を歌い上げる。
 コンサートを締めくくる最後の楽曲は……「イニシエノウタ/運命」。エミさんと中川さんはもちろんのこと,会場に集まったファンも最高潮にNieRの世界観へと没入。感極まり,嗚咽を堪えながら聴き入っている人も多く見受けられた。



 ……こうして,NieRファンにとって夢のような一夜は終りを迎える。出演者一同,いつかまたコンサートを開催することを会場に向けて約束し,「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ」は大喝采に包まれながら幕を閉じた。コンサート終了後の囲み取材の模様をお届けして,本稿の締めとしたい。




コンサートを終えて……



――コンサートの開催おめでとうございます。まずはコンサートのご感想をお願いします。

岡部氏:
 本当に無事に終わって良かったなと思いました。パンフレットにも書かせていただきましたが,NieR単独でお金をいただいたコンサートをしたことがなかったので,「満足していただけるかな」というプレッシャーが大きかったです。今は満足してもらえたみたいで,良かったなと思います。

齊藤氏:
 客観的に見ていて,私がお客さんとして来ていたら絶対に泣くだろうな,というものが作れたと思うので,コンサートに来たお客さんが,どれくらい泣いていたのかは興味深いですね(笑)。パッと見た感じ,うるうるしている人はいたので,感動していただけたということで,やって良かったなと思います。

石川さん:
 私は「NieR:Automata」から参加させていただくので,NieRのファンの方とは初めてお会いしました。本当にNieRを大切に思ってくださる,愛してくださる方がたくさん居ることを感じたイベントでしたし,ひとりのお客さんとして音楽を楽しませていただきました。皆が力を出し合って素敵な作品を作っているので,まだアフレコが残っている私も負けていられないなと思いました。

門脇さん:
 私にとってNieRという作品は忘れられない,色褪せない大切な作品だったので,同じ気持ちでずっと待ってくださった皆さんと,大好きな曲を一緒に聴くことができて幸せな時間でした。また再びニーアさんと出会えるまで,ずっとずっと一生懸命,エミールを務めさせていただきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

ヨコオ氏:
 石川さんが「これから収録頑張ります」と言ってくださりましたが,台本もまだ書けていないし,門脇さんのセリフに至っては8割書けていないので,頑張らないと俺は死ぬなって気持ちでいっぱいです(笑)。ただ,今日のコンサート自体は素晴らしい内容でした。僕は今年46歳で,岡部さんは47歳でしたっけ? 良い冥土の土産が出来ました。皆さん,本当にありがとうございました。

田浦氏:
 純粋に「良かったな」という気持ちでいっぱいです。新作の「NieR:Automata」も,同じようにイベントができればいいなと思い,頑張ろうって気持ちになりました。

ヨコオ氏:
 今度イベントがあったら脱ぐんですよね?(笑)

田浦氏:
 ……次の質問にいきましょうか(笑)。

――前作に関わった方々におうかがいします。今でこそエポックメイキングなゲーム音楽として高く評価されているNieRの楽曲ですが,リリース当時から「これはイケる」と手応えを感じていたのでしょうか?

岡部氏:
 まったく感じてなかったです(笑)。

齊藤氏:
 開発が長かったこともあり,ずっと「青イ鳥」を聴き続けていたんです。やがて,良いのか悪いのか分からなくなって(笑)。

ヨコオ氏:
 NieRってギリギリまでストーリーも音楽もつながらなくて,データだけ詰まっている状態でした。そのまま「つながった! 発売!」となって,いざリリースされたら見たくなくなったんです(笑)。どんなゲームになったのか,正直よく分からなくて,3年くらい経ってからファンの方々が「楽しかった」と話しているのを聞いて,良かったことを初めて確認しました。

齊藤氏:
 去年のE3であまりにも好評価を得ていたものですから,ドッキリなんじゃないかと2人して話していました(笑)。でもあらためてコンサートを行い,ファンの方々がこんなにも集まってくれたことで確信に変わりました。

ヨコオ氏:
 でも岡部さんの音楽って当時,海外のゲーム誌に“ゲーム史に残る名曲だ!”って言われてて。「そこまでではないだろう」って思いました(笑)。

――いやいや,我々は本気でゲーム史に残る名曲だと思っていますよ! それを踏まえて,「NieR:Automata」について。そこまで評価された作品の続編ということで,楽曲作りにプレッシャーがあると思いますが,いかがでしょうか?

岡部氏:
 前回と同じことをしても意味が無いわけではないですが,ヨコオさんも自分も「評判が良かったから,同じものを……」というタイプではないので。新しい要素をどんどん入れていきたいなと思います。とはいえ,受け手側が抱いている「NieRはこうなんだ!」というイメージが,6年も経つとすでに固まっていると思うんですね。僕もイベントを行うにあたり,昔の曲や映像を見直したのですが,記憶と若干の齟齬があったんです。とくに今回来ていただいたユーザーの方々は作品への思い入れが強いと思うので,変わった要素に対しては賛否両論あるだろうなと覚悟はしています。
 だからプレッシャーはめちゃくちゃありますし,否定的なことを言われるかもな,とも思っています。最初は「えっ!?」と思うかもしれないけど,ゲームを進めていけばその意味を理解し,気に入ってもらえるんじゃないかなと。そう信じながら,現在進行中です。

齊藤氏:
 でも岡部さんは6年の間に,「NieRみたいな曲を作曲して下さい」というオーダーが増えたと聞きましたよ(笑)。

岡部氏:
 そうなんですよ。「NieR:Automata」の開発をするときに,「NieRっぽさってなんだっけ?」というところから始まりました。そこの復習から始めて,前からある要素と新しい要素をうまくブレンドしていきたいなと思い,頑張ってバランスをとっている感じです。

――いつか再び今回のようなコンサートを開催したいとのことですが,具体的な展望はあるのでしょうか?

岡部氏:
 次は「NieR:Automata」の新しい要素もライブに取り入れたいです。今日のJ'Niqueさんの歌も,今までのNieRとは違う流れとして作ったので,賛否両論あるかと。でも,新しいけれど「やっぱりNieRだね」と思える形でやりたいので。前作の要素に加える形で新しい要素を入れて,NieRシリーズ全体としてまとまったイベントになればいいなと思います。

齊藤氏:
 プロデューサーとしては,赤字にならないイベントを開催したいです(笑)。今回はプロモーションも含まれているので,持ち出しも仕方ないんですが。赤字続きじゃどうしようもないので,プラマイゼロでもいいから皆さんに楽しんでいただけるものが作れたらいいなと思います。

石川さん:
 キャスト同士ではお会いしたことがないので,そういう方々とお話するチャンスがあれば面白いなと思います。

門脇さん:
 今回,参加できただけで十分です……! でも新しいチームの皆さんとも掛け合いができたら嬉しいです。エミールの曲も素敵な曲を作っていただきましたが,次回はひょうきんな曲でもいいので,新しいエミールの音楽に期待しています。

ヨコオ氏:
 僕は舞台がやりたいです。よろしくお願いします! 舞台がやりたくて仕方なく,ずっと言っているんですけど。赤字で儲からないのでやらせてもらえないんです。だからこうやってメディアに向けて言っておけば,なんとかなるかなと思いました(笑)。

齊藤氏:
 スケジューどおりにゲームを仕上げてくれれば考えます(笑)。

田浦氏:
 今回は開発途中の「NieR:Automata」をプレイさせていただきましたが,あまり多くを見せることができなかったので,もっといろいろなバリエーションのあるものを見せたいですね。

――ちなみに今回はキャパシティ900人ほどの会場でしたが,規模的には十分でしたか?

齊藤氏:
 大きさ的には,これくらいが良いんじゃないかなと思いました。しゃべっている側と演奏している側から,お客さんの表情が見えるサイズってこれくらいなのかなと。これ以上大きくなると,分からなくなるでしょうし。今回も2回転,3回転を考えなかったわけではないのですが,初コンサートということもあって1回にしておいたんです。

――J'Nique Nicoleさんを起用した決め手を教えてください。

岡部氏:
 前回のNieRの音楽はエミさんの歌のカラーが強く,ああいう儚い楽曲のイメージがあったと思います。そして今回は新しい要素として,真逆の歌のカラーを持つ人に参加してほしいとヨコオさんと話していました。

ヨコオ氏:
 パワー感のある方をね。

岡部氏:
 そこでエミさんとは真逆に,押しのある力強い点を考慮して,J'Niqueさんにお願いしました。

――エンディングを有料ガチャに……という話には衝撃を受けました。

齊藤氏:
 今フィックスしようとしているエンディングも酷くて……。これはアリなのか,ナシなのか,早くリリースして世に問いたいです!


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Posted by ZlobRah at 2018年01月11日 00:31
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